単純な視覚情報を迅速かつ正確に処理できるか? をみていきます。
たとえば、こんなことありませんか?
黒板の文字が消されてしまう前にノートに書き写せなかったり、
授業時間内に課題を終えられなかったり、
テストを最後まで回答することができなかったり。。。
「処理速度」に難しさのあるお子さんは、「マイペース」とか「サボり」などと言われてしまうことがあり、そのことで、内心傷ついたり、焦ったり、あるいはやる気を失せてしまう、なんていうこともあるかもしれません。
「処理速度」の検査には、基本の課題が2つと、代替えが1つの計3つの課題があります。
指示された通りの記号を書き写したり、いくつか並べられた記号の中に、同じ記号が有るか無いかを答えてもらう、というのが基本の検査になります。
代替えの課題は、基本の検査の実施が難しかったり、もう少し追加情報が欲しい場合に実施します。
こちらは、色付きの絵がたくさん描かれていて、その中から指定のものにだけに斜線を引いていってもらうというものです。
「処理速度」が低い場合は、どんなことが要因として考えられるのでしょうか。
姿勢を保つこと自体に疲れてしまうお子さんも、最近は増えてきています。
しっかりと、そして楽に姿勢を保てるからこそ、勉強やスポーツなど、その先の活動に力を注ぐことができます。
姿勢保持とも関連がありますが、目のコントロールが難しいと、素早く見たいところに視点を移動させることが難しいということがあります。
姿勢保持や触覚過敏とも関係がありますが、視覚から得た情報を、「書字」として表出することが難しいという場合があります。
これは、「手先の不器用さ」と言い換えられることができるかもしれません。
見本を見ながら1問ずつ回答していくよりも、見本を記憶して回答していった方がスピードアップにつながることは、想像しやすいかと思います。
記号などの特徴を素早く捉え、見比べることが苦手。
上記の他に、緊張していたり、体調がすぐれなかったり、また、検査後半で疲れが出てしまい、集中力が途切れてしまうということもあるかもしれません。
あるいは、「正確さ」「丁寧さ」を大切にするため、スピードが伴わないということもあるでしょう。
なので、検査結果の数値だけではなく、学校やご家庭でのご様子、お子さまの性格なども考慮しながら、理解や支援に繋げていくことが大切です。
どのお子さんも、わざと「間違えよう!」「遅くやろう!」とは考えていないでしょう。
「量」は多くなくても「質」が高いかもしれません。
「昨日」より「今日」、ミスが少なくなっているかもしれません。
結果には現れていないかもしれませんが、「もっと早く!もっと正確に!!」と一生懸命取り組んでいるかもしれません。
検査を通して、そんな子どもたちの頑張りに気づき、一人一人に必要なアプローチや支援を考えていければと思っています。