「無条件の愛情」と「条件付きの愛情」」
子どもに毎日「大好き」という言葉をかけましょう。と保護者の方に伝えています。
言葉に出すことも大事です。この「大好き」という言葉は、子どもの自己肯定感を育む上で非常に重要です。
でもその「大好き」に条件を付けてしまうと子どもに与える影響がかなり違ってきます。「条件付きの愛情」と「無条件の愛情」と区別をしてみます。
無条件の愛情
無条件の愛情とは、子どもがどんな行動をとっても、どんな結果を出しても、変わらずに愛し続ける愛情のことです。これは子どもに安心感と自己肯定感を与え、心理的な安定をもたらします。
特徴
- 子どもの存在そのものを肯定し、愛する。
- 成績や行動に関わらず、常に一貫した愛情を示す。
- 子どもの失敗や過ちを受け入れ、支援する姿勢を持つ。
条件付きの愛情
条件付きの愛情とは、子どもが特定の条件(例えば、良い成績を取る、親の言うことを聞く、スポーツを頑張りいい結果を出すなど)を満たした時にのみ与えられる愛情のことです。(親は条件を付けて愛してるわけではないにしても、子どもがそう取ってしまったらそれも条件付きの愛情になると思います)これは子どもに多くの弊害をもたらす可能性があります。
条件付きの愛情の特徴
- 子どもの行動や成果に基づいて愛情が変わる。
- 子どもが親の期待を満たさない時、愛情が減少したり、罰が与えられる。
- 愛情が報酬のように扱われ、子どもが「良い子」であることを強調する。
条件付きの愛情の弊害
条件付きの愛情は、以下のようなネガティブな影響を子どもに与える可能性があります。
- 自己価値の低下: 子どもは「自分は何かを達成しなければ価値がない」と感じるようになり、自分を否定的に捉える傾向が強まりがちです。
- 不安とストレス: 常に親の期待に応えなければならないというプレッシャーを感じ、精神的な負担が増加します。
- 依存的な関係: 子どもは他人の評価に依存するようになり、自分自身の価値を他人の評価に委ねる傾向が強くなりがちです。
- 自己表現の抑制: 自分の本当の気持ちや意見を表現することを恐れ、親の期待に合わせて(親の顔色に合わせて)行動することが優先されるようになります。
- 愛情の誤解: 子どもは愛情を条件付きでしか受け取れないと誤解し、大人になっても同じような愛情のパターンを繰り返す可能性があります。
そんなつもりではなくても、条件付きの愛情になってしまっているかもしれません。ただそこにいること、自分の子どもとして生まれてきたこと。そんな無条件の愛情を与えることは、子どもの健全な発達と心の安定に不可欠です。親が子どもをありのままに愛し、支えることで、子どもは自己肯定感を持ち、自信を持って成長することができます。条件付きの愛情を避け、無条件の愛情を与えるよう努めるよう、ちょっと意識をしてみませんか。