夏休み、子どもとの距離が近くなったときに
今、日常を送れている私たちだからこそ
大きな災害のさなかにいる方々は、今を生きることで精いっぱいだと思います。
安全な場所を確保すること、水や食事を得ること、眠る場所を整えること。まずは、目の前の生活を守ることが最優先です。
一方、私が住む熊本市では、現在、普段に近い生活を送ることができています。
だからこそ今回は、日常を過ごすことができているご家庭に向けて、夏休みの子どもとの接し方について考えてみたいと思います。
楽しいだけではない夏休み
夏休みは、子どもにとって楽しみな時期です。
学校に行かなくてよい、朝をゆっくり過ごせる、家族と出かけられる。そんな解放感がある一方で、生活のリズムが崩れやすく、子どもも大人も疲れをためやすい時期でもあります。
暑さが続くと、外で遊ぶ時間が減り、家の中で過ごす時間が増えます。
親子で一緒にいる時間が長くなることで、
「何度言っても宿題をしない」
「ずっとゲームや動画を見ている」
「兄弟げんかが増えた」
「少し注意しただけで怒る」
「親もイライラしてしまう」
といった悩みが出てくることもあります。
子どもの行動には理由があります
けれども、子どもの態度だけを見て、
「怠けている」
「わがままになった」
「言うことを聞かない」
と決めつけてしまうと、親子ともに苦しくなってしまいます。
子どもがイライラしているとき、その背景には、暑さや寝不足、生活リズムの乱れ、運動不足、退屈さ、友達に会えない寂しさなどが隠れていることがあります。
特に子どもは、自分の気持ちや体の疲れを、うまく言葉にできないことがあります。
「疲れた」
「寂しい」
「何をしたらよいか分からない」
という気持ちが、怒る、ふてくされる、甘える、何もしたがらないといった行動に表れることもあります。
叱る前に、ひと呼吸
そんなときは、すぐに叱る前に、一度立ち止まってみてください。
「今日は暑かったね」
「少し疲れているのかな」
「何か嫌なことがあった?」
「今は話したくなければ、後でもいいよ」
そう声をかけるだけで、子どもが気持ちを話しやすくなることがあります。
大切なのは、子どもの言い分をすべて受け入れることではありません。
約束やルールを守ることも必要です。
ただ、注意や指示をする前に、
「あなたのことを見ているよ」
「あなたの気持ちを知ろうとしているよ」
という姿勢を伝えることが、親子の関係を大きく変えていきます。
保護者も頑張りすぎなくて大丈夫
また、夏休みは、子どもだけではなく、親にとっても負担が増える時期です。
食事の準備、宿題の確認、きょうだいへの対応、仕事との両立。自分の時間が取れず、気持ちに余裕がなくなることもあるでしょう。
親も人間です。
イライラする日があっても、優しくできない日があっても、それだけで悪い親になるわけではありません。
感情的に叱ってしまったときは、
「さっきは言い過ぎたね」
「お母さんも疲れていた」
「もう一度話そうか」
と伝えれば大丈夫です。
親が謝る姿や、関係を修復しようとする姿から、子どもは、人との関係はやり直せることを学びます。
特別なことより、何気ない時間を

夏休み中は、特別な体験をたくさんさせなければならないと思わなくてもよいのです。
一緒に食事をする。
少し話を聞く。
同じテレビを見る。
買い物に出かける。
「おやすみ」と声をかける。
そうした何気ない時間が、子どもの安心感につながります。
気になる変化を見逃さないために
ただし、夏休みが始まってから、
・子どもの怒り方が激しくなった
・昼夜逆転が続いている
・家族との会話を避けるようになった
・食欲が極端に増えたり減ったりした
・学校の話をすると強く拒否する
・親子で話すたびに衝突してしまう
といった状態が続く場合は、親子だけで解決しようと抱え込まないことも大切です。
悩みが大きくなる前に

「こんなことで相談してよいのだろうか」
そう思われる方も多いのですが、悩みが大きくなる前だからこそ、一緒に整理できることがあります。
子どもの行動には、必ず何かしらの理由があります。
そして、保護者の方が苦しくなっていることにも、理由があります。
どちらかを責めるのではなく、子どもの気持ちと親の気持ちの両方を大切にしながら、そのご家庭に合った関わり方を一緒に考えていくことができます。
子どものために、そして保護者のために
夏休みの子どもとの接し方、親子関係、子どもの生活リズムや学校への不安など、気になることがありましたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
子どものための相談であると同時に、毎日頑張っている保護者の方が、少し心を軽くするための相談でもあります。
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