怒っているのに涙が出るのは何故?

「腹が立ちすぎると、思いを伝える前に、涙が出てきて。思いを伝えられないんです。」

と、カウンセリングの中で相談がありました。

腹が立っているというのですから、「怒り」を表現や態度で表すのが自然な反応なのに、「悲しさ」「悔しさ」「混乱」「恥ずかしさ」「心配」などの別の感情を感じて別の表現をするのは何故でしょう。

この感情は本当の感情ではなく偽物の感情なのです。本物の感情は「怒り」のはずです。

交流分析の理論では、幼少期に「怒り」を感じたり示したりすることを禁じられると、このような偽物の感情にすり替えられてしまうと説明しています。このような偽物の感情を「ラケット感情」といいます。

子どもの頃、怒りを他の感情にすり替えることによって親からの愛されているという感情をより多く得ていたのです。ラケット感情は幼少期に親の愛情を得る手段として形成された、一種の感情の条件反射です。

幼少時に有効であったラケットも成長するにつれて色褪せ、「成人」の立場からより適切な感情を抱いたり行動したりする代わりに、しばしば懐かしいラケットを繰り返してラケット感情を味わいます。時には生きづらさにつながったりします。

大切なのは、その「ニセモノの感情」が覆い隠している本来の「本物の感情」に自分で気づくことです。

子ども時代にどんな感情を持ってもいいということを教えてあげる必要があります。

カウンセリングも予約制で行っています。

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