自分の「武器」を知ることは、未来を切り開く力になる

WISC-V検査で、自分に合った攻略法を見つけよう ―

ゲームを始めるとき、何を確認しますか?

戦いのゲームやロールプレイングゲームを始めるとき、皆さんは何を確認するでしょうか。

持っている武器は何か。
体力はどのくらいあるのか。
攻撃力や防御力は高いのか。
魔法が得意なのか。
素早く動くことが得意なのか。

多くの人は、自分のキャラクターの「ステータス」を確認し、その特徴に合った戦い方を考えます。

力が強いキャラクターなら、前に出て戦う。
守る力が高ければ、仲間を支える。
魔法が得意なら、離れた場所から力を発揮する。

どのキャラクターにも、得意なことと苦手なことがあります。

大切なのは、すべての能力を同じように高くすることではありません。

自分がどのような武器を持ち、どのような場面で力を発揮できるのかを知ることです。

私たちにも、それぞれ違うステータスがあります

これは、ゲームの中だけの話ではありません。

私たち一人ひとりにも、それぞれ異なる「考え方の特徴」や「学び方の特徴」があります。

言葉で説明を聞くと理解しやすい人。
図や絵を見たほうが分かりやすい人。
じっくり考えることで力を発揮する人。
素早く取り組むことが得意な人。
一度にたくさんのことを覚えるのは大変でも、一つずつ進めれば力を発揮できる人。

同じ課題に取り組んでいても、理解の仕方や、力を発揮しやすい方法は一人ひとり違います。

ところが、自分の特徴を知らないまま過ごしていると、

「どうして自分だけできないのだろう」
「みんなと同じようにできない」
「自分は頭が悪いのかもしれない」

と、自分を責めてしまうことがあります。

しかし、それは能力がないのではなく、自分が持っている武器と、今求められている戦い方が合っていないだけかもしれません。

WISC-V検査検査は、点数を競うための検査ではありません

WISC-V検査は、子どもの知的な能力や認知の特徴を、いくつかの角度から見ていく検査です。

「頭が良いか、悪いか」を決めるためのものではありません。

言葉を使って考える力、目で見た情報を整理する力、初めて見る問題を考える力、情報を一時的に覚えて扱う力、作業を正確に進める速さなどを確認し、その子の中にある得意な力と、負担を感じやすい部分を整理していきます。

ゲームに例えるなら、自分のキャラクターのステータス画面を、丁寧に確認するようなものです。

攻撃力だけを見るのではなく、防御力や素早さ、道具の使い方、仲間との連携なども含めて、そのキャラクターに合った攻略法を考えていきます。

苦手を知ることは、弱さを決めることではありません

検査によって苦手な部分が分かることを、不安に感じる方もいらっしゃいます。

しかし、苦手を知ることは、その子の弱さを決めつけることではありません。

苦手な場面が分かれば、負担を減らす工夫ができます。

一度にたくさん指示されると混乱しやすいのであれば、一つずつ伝える。
言葉だけでは分かりにくいのであれば、絵や図を使う。
書く作業に時間がかかるのであれば、考える時間と書く時間を分ける。
素早く答えることが苦手であれば、急かさずに待つ。

こうした工夫は、本人を甘やかすことではありません。

その子が持っている力を発揮しやすい環境を整えることです。

重い剣を持つことが苦手なキャラクターに、無理に大剣を持たせ続けるよりも、そのキャラクターが使いやすい道具を選んだほうが、本来の力を発揮できます。

自分の武器を知ると、自信につながります

自分の得意なことが分かると、

「自分には何もない」

という見方から、

「自分は、この方法ならできる」
「時間をかければ力を発揮できる」
「言葉より、見て覚えるほうが得意なんだ」
「人とは違うけれど、自分には自分のやり方がある」

という見方に変わっていきます。

自分を知ることは、自分を責める材料を増やすことではありません。

自分を守り、自分に合った方法を選ぶための力になります。

それは、子どもがこれから学校生活や人間関係、進路選択など、さまざまな場面を進んでいくうえで、大切な武器になります。

周囲の大人も、子どもの見方を変えられます

WISC-V検査は、子ども本人だけのためのものではありません。

保護者や先生など、周囲の大人が、その子を理解するためにも役立ちます。

「何度言ってもできない」
「集中力がない」
「やる気がない」
「もっと頑張れるはず」

そう見えていた行動にも、その子なりの理由があるかもしれません。

頑張っていないのではなく、一度に多くの情報を処理することに疲れている。
話を聞いていないのではなく、言葉だけでは理解しにくい。
取りかかりが遅いのではなく、失敗しないように慎重に考えている。

特徴が分かることで、叱る回数を増やすのではなく、伝え方や環境を変えるという選択ができるようになります。

検査結果は、子どものすべてではありません

もちろん、WISC-V検査だけで、その子のすべてが分かるわけではありません。

検査結果は、その子を決めつける「答え」ではなく、その子を理解するための一つの「地図」です。

性格、興味、経験、家庭や学校での様子、人との関わり方なども含めて、総合的に考えることが大切です。

数字だけを見るのではなく、

「この子は、どんなときに困っているのか」
「どんな方法なら理解しやすいのか」
「どのような場面で力を発揮しているのか」

を一緒に考えていくことに意味があります。

自分に合った攻略法を見つけるために

ゲームでは、強い武器を持っているだけで、すべての戦いに勝てるわけではありません。

敵や場面に合わせて武器を選び、仲間の力を借り、ときには休みながら進んでいきます。

私たちの生活も同じです。

自分の得意なことを生かし、苦手なことには工夫をし、必要なときには周囲に助けを求める。

それが、自分らしく前に進むための攻略法です。

お子さまが学習や学校生活で困っている。
頑張っているのに結果につながらない。
得意なことと苦手なことの差が大きいように感じる。
どのように接し、支援すればよいか分からない。

そのようなときは、本人の努力不足と決めつける前に、その子が持っている「武器」と「ステータス」を一緒に確認してみませんか。

WISC-V検査を通して、お子さまの得意な力や、つまずきやすい場面を整理し、その子に合った学び方や関わり方を考えることができます。

自分を知ることは、自分を好きになるための第一歩です。

そして、自分の武器を知ることは、これからの人生を、自分らしく進んでいくための大きな強みになります。

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