認知のゆがみ 白黒思考
挨拶されなかっただけで嫌われていると思って悩んだことありませんか?
この考え方は、白黒思考から来ている場合があります。
例えば、成功か失敗、善か悪、勝者か敗者などの二分法による考え方もこれに該当します。
このような物事を考える傾向のことを白黒思考といいます。
自分は、はっきり白黒つけるのが心地よい状態になるのです。
でも、現実世界はしばしば灰色の領域です。
単純な二項対立で表現することが難しい複雑さを持ちます。
このため、白黒思想の人は、複雑な状況や情報を処理するのが難しくなる可能性があります。
人間関係も単純な二項対立では説明しきれない複雑さを持ちます。
白黒思想の人は、相手を完全に肯定または否定することで、関係を簡単化しようとする傾向がありますが、これは人間関係を困難にする要因となります。
また、しばしば自分自身や自分の行動を完全に肯定または否定しようとする傾向があります。
これにより、自己評価が極端になり、自己受容や自己成長が妨げられる場合があります。
私生活、仕事においても、問題が起きたとき、問題解決の過程で中間的な解決策や妥協点を見落とすことがあります。
完璧主義の人や自閉スペクトラム症の傾向を持つ人は白黒思考になりやすいと言われています。
完璧主義の傾向がある人は、結論がはっきりしないことや中途半端な状態、二分して分けられないものを嫌います。
また、自閉スペクトラム症の特性を持つ人は、あいまいな物事を理解するのが苦手です。「こういうこともあるけど、別の可能性もあるよね」という曖昧な状況が苦手なので、AかBかに振り分けがちになります。
白黒思考を少しでも和らげるには、「コラム法」というのがあります。
柔軟な認知を身につけるのに役立ち、一人でも簡単に取り組むことができます。
そのときの出来事と感情を項目に分けて記録することで、極端な白黒思考になっていないかをチェックし、より柔軟な思考に修正することを試みます。コラム法は以下の7つの手順に従って進めるのが一般的です。
- 状況
- 気分
- 浮かんだ考え
- 根拠
- 反証
- 別の考え
- 心の変化
このように記録していくことによって、自分の中にある偏った考え方や自分を苦しめる考え方を発見して、修正していくことができるのです。
「白黒思考」を改善したい場合には、認知行動療法が効果的です。
弊社ではそのような行動療法のお手伝いもしております。
気軽にお問合せください。