人の気配がつらい――その悩みから始まったWISC検査
先日、とてもうれしいご報告をいただきました。
以前、WISC検査を受けられたお子さんが、このたびメンサ会員になられたとのことでした。
こうしたご報告をいただくと、こちらまで嬉しい気持ちになります。
ただ、今回お伝えしたいのは、「メンサ会員になった」という結果だけではありません。
その子との出会いは、むしろ日常の中の生きづらさから始まったものでした。
最初のご相談は、
「人がそばに近づくととても気になる」
「触るか触らないかの距離が気になって落ち着かない」
「人の気配が気になってしまう」
というものでした。
周りの人から見ると、なかなか気づきにくい悩みかもしれません。
けれど、ご本人にとってはとても切実で、日常生活の中で大きな負担になっていたのだと思います。
保護者の方は、その様子を見て、発達に何か特性があるのではないかと心配され、検査を希望されました。
WISC検査は、何かの診断をするためのものではありません。
また、数値だけでその子を判断するものでもありません。
その子がどのように物事を受け取り、どう考え、どこに負担がかかりやすく、どこに力を持っているのかを理解するための、大切な手がかりの一つです。
子どもたちの中には、周囲からは「気にしすぎ」「敏感すぎる」と見える一方で、非常に高い理解力や思考力、独特の感受性を持っている方がいます。
困りごとがあることと、力があることは、別々ではなく、同時に存在していることも少なくありません。
今回のご報告を受けて、改めて感じたのは、
子どもを一面だけで見ないことの大切さです。
困っていることがある。
でも同時に、その子ならではの豊かな力がある。
その両方を丁寧に見ていくことで、支援の形も変わってきます。
「何かあるのでは」と心配して受けた検査が、
結果として、その子らしさを理解するきっかけになり、
さらにその力を前向きに活かしていく一歩につながっていたのだとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
子どもの困りごとは、目に見える行動だけではわからないことがあります。
その子がどんなふうに世界を感じているのか。
何に敏感で、何に力を発揮しやすいのか。
そこに目を向けることの大切さを、今回あらためて感じました。
これからも、一人ひとりの感じ方や特性を大切にしながら、
その子らしい成長を支えていきたいと思います。
※ご本人が特定されないよう、内容は一部調整して掲載しています。
※WISC検査は認知特性の理解を目的とした検査であり、メンサ入会を判定するものではありません。
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