子どもが学校に行けないときの親の対応|GW明けの登校しぶり
〜GW明け、子どもの「行きたくない」にどう向き合うか〜
GW明けの朝、子どもが急に「学校に行きたくない」と言い出すことがあります。
お腹が痛い。
頭が痛い。
眠れなかった。
制服に着替えようとしない。
玄関までは行ったけれど、そこから動けない。
そんな姿を見ると、親としては不安になります。
「このまま不登校になったらどうしよう」
「甘えではないのか」
「休ませていいのか、無理にでも行かせた方がいいのか」
「学校に何と連絡したらいいのか」
いろいろな思いが一気に湧いてくるかもしれません。
特にGW明けは、休みの間に少し緩んだ心と体を、また学校生活のリズムに戻していく時期です。新学期から頑張ってきた子どもほど、連休明けに疲れが出ることもあります。
文部科学省も、不登校や不登校傾向が見られる場合には、まず在籍校と十分に連絡を取ることが重要だと示しています。また、教育支援センターや教育相談所など、地域の相談先もあります。
この記事では、子どもが学校に行けないとき、親が最初にできることをお伝えします。
1. まず「行きなさい」と言う前に、子どもの状態を見る
子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親はつい理由を聞きたくなります。
「どうして?」
「何があったの?」
「誰かに何か言われたの?」
「昨日までは行けていたのに、なぜ?」
もちろん、理由を知りたい気持ちは自然なことです。
ただ、子ども自身も、はっきり理由が分かっていないことがあります。
「何となく無理」
「朝になると苦しい」
「行かなきゃと思うほど動けない」
「自分でも分からない」
このような状態の子に、すぐに理由を問い詰めると、子どもはさらに追い詰められてしまうことがあります。
まずは、理由よりも状態を見てあげることが大切です。
たとえば、
- 顔色はどうか
- 眠れているか
- 食欲はあるか
- 頭痛や腹痛があるか
- 涙が出ているか
- 強い緊張や不安があるか
- 前日から様子が違っていなかったか
このように、子どもの心と体のサインを見ます。
学校に行けないという形で出ていても、その背景には、疲れ、不安、緊張、人間関係、学習面の負担、環境の変化、感覚の過敏さなど、さまざまな要因が関係していることがあります。不登校の背景には複数の事情が複雑に関係する場合があるため、学校や教育委員会だけでなく、医療・福祉などの関係機関との連携も大切だとされています。
2. 最初の一言は「責めない言葉」にする
学校に行けない子どもに対して、最初にかける言葉はとても大事です。
親の不安から、
「また休むの?」
「そんなことでどうするの?」
「みんな行っているよ」
「休み癖がつくよ」
「頑張れば行けるでしょう」
と言いたくなることもあるかもしれません。
けれど、子どもが本当に苦しくて動けないとき、この言葉は「分かってもらえない」「責められた」と感じられることがあります。
最初の一言は、原因を探る言葉よりも、安心させる言葉がおすすめです。
たとえば、
「今朝は、学校に行くのがしんどいんだね」
「まず、少し落ち着こうか」
「行けない理由をすぐに言えなくても大丈夫だよ」
「あなたが困っていることは分かったよ」
このような言葉です。
ポイントは、学校に行かないことをすぐに認めるというより、子どもの苦しさをまず受け止めることです。
子どもは、親に分かってもらえたと感じると、少しずつ自分の気持ちを話しやすくなります。
3. 「今日はどうするか」を小さく決める
学校に行けない朝に、いきなり大きな結論を出す必要はありません。
「これから不登校になるのか」
「転校が必要なのか」
「フリースクールを探すべきか」
「勉強はどうなるのか」
親の頭にはいろいろな不安が浮かぶと思います。
でも、子どもにとっては、まず今日の朝を乗り切ることが大切です。
そのため、最初は小さく決めます。
たとえば、
- 1時間目だけ休む
- 午前中は家で休む
- 保健室登校ができるか学校に相談する
- 今日は休んで、夕方に明日のことを考える
- 担任の先生に様子を伝えておく
- 連絡帳や電話で、子どもの状態を簡単に共有する
このように、今日の対応を小さく決めます。
ここで大切なのは、親だけで決めつけないことです。
「休むの? 行くの? どっちなの?」と迫るのではなく、
「今できそうなことは何か、一緒に考えよう」
という姿勢が子どもを安心させます。
4. 学校への連絡は「理由がはっきりしなくても」してよい
親御さんの中には、学校にどう伝えればよいか悩む方もいます。
「本人が理由を言わないので、先生に説明できない」
「いじめかどうかも分からない」
「ただ行きたくないと言っているだけかもしれない」
「大げさに思われたらどうしよう」
でも、理由がはっきりしなくても、学校には状態を伝えて大丈夫です。
たとえば、次のように伝えられます。
「今朝、登校しようとすると腹痛を訴え、涙が出て動けない状態でした。本人も理由をうまく説明できないようです。少し様子を見たいと思いますが、学校で何か気になる様子があれば教えていただけますか。」
または、
「GW明けから、朝になると学校に行くことへの不安が強くなっているようです。家庭でも様子を見ますので、学校での様子や今後の対応についてご相談させてください。」
学校への連絡は、欠席の報告だけではなく、子どもを支えるための情報共有です。
文部科学省は、不登校や不登校傾向の場合、在籍校と十分に連絡を取ること、地域の教育相談所や教育支援センターなどの相談窓口を活用できることを示しています。
5. 親が一人で抱え込まない
子どもが学校に行けない状態になると、親は自分を責めてしまうことがあります。
「育て方が悪かったのでは」
「もっと早く気づけばよかった」
「私の対応が間違っていたのでは」
「仕事を休めない自分は親失格ではないか」
けれど、不登校や登校しぶりは、親だけの責任で起こるものではありません。
子どもの性格、学校環境、友人関係、学習の負担、発達特性、心身の疲れ、家庭の状況、季節や生活リズムなど、さまざまな要素が重なって起こることがあります。
だからこそ、親が一人で抱え込まないことが大切です。
相談先としては、
- 担任の先生
- 学年主任
- スクールカウンセラー
- 養護教諭
- 教育相談所
- 教育支援センター
- 小児科・心療内科・精神科
- 公認心理師などの専門職
- 地域の子育て相談窓口
などがあります。
地域によっては、不登校支援のポータルサイトや教育支援センター、フリースクールとの連携情報を公開している自治体もあります。たとえば静岡県や静岡市でも、不登校支援や教育支援センターに関する情報が公開されています。
6. 家で安心できる時間をつくる
学校に行けない子どもにとって、家が安心できる場所であることはとても大切です。
もちろん、親としては勉強の遅れや生活リズムが気になります。
「昼夜逆転したらどうしよう」
「ゲームばかりになったらどうしよう」
「このまま外に出られなくなったらどうしよう」
そう思うのは当然です。
ただ、学校に行けないほど心が疲れているとき、最初から生活をきっちり整えようとすると、子どもはさらに苦しくなることがあります。
まずは、家庭の中で少し安心できる時間をつくることです。
たとえば、
- 朝は責めずに声をかける
- 食事だけは一緒にとる
- 昼夜逆転を叱る前に、眠れない理由を考える
- できたことを小さく認める
- 学校の話ばかりにしない
- 子どもが話し出したときに最後まで聞く
家庭が「責められる場所」になると、子どもはますます心を閉じてしまいます。
反対に、家が安心できる場所になると、子どもは少しずつ力を取り戻していきます。
7. 「学校に戻すこと」だけをゴールにしない
親としては、できれば学校に戻ってほしいと思うものです。
それは自然な気持ちです。
けれど、最初から「どうすれば学校に戻れるか」だけを考えると、子どもは「学校に行ける自分でなければ価値がない」と感じてしまうことがあります。
大切なのは、学校に行くか行かないかの前に、子どもが安心して生活し、自分を取り戻していくことです。
文部科学省の資料でも、不登校児童生徒について、学びたいと思ったときに多様な学びにつながれる環境や、居場所の確保が示されています。
学校に戻ることも一つの選択肢です。
保健室登校、別室登校、短時間登校、オンライン学習、教育支援センター、フリースクールなど、子どもに合う形を探すこともできます。
その子にとって、今どの形なら少し安心できるのか。
そこから考えていくことが、回復への一歩になります。
8. 親が最初にできることは「味方でいる」と伝えること
学校に行けない子どもに、親が最初にできること。
それは、すぐに解決することではありません。
正しい理由を聞き出すことでもありません。
無理に学校へ連れて行くことでもありません。
まずは、
「あなたが困っていることを、私は一緒に考えたい」
と伝えることです。
子どもは、学校に行けない自分を責めていることがあります。
「自分はだめだ」
「親を困らせている」
「みんなは行けるのに、自分だけ行けない」
「明日は行くと言ったのに、また行けなかった」
そんな思いを抱えている子もいます。
だからこそ、親の言葉が支えになります。
「今はうまく言えなくても大丈夫」
「少しずつ考えよう」
「一人で抱えなくていいよ」
「お母さん、お父さんはあなたの味方だよ」
この言葉が、子どもの心の安全基地になります。
まとめ
GW明けに子どもが学校に行けないと、親はとても不安になります。
けれど、最初に必要なのは、慌てて原因を決めつけることではありません。
大切なのは、
- 子どもの心と体の状態を見る
- 責めない言葉をかける
- 今日どうするかを小さく決める
- 学校と連絡を取る
- 親が一人で抱え込まない
- 家を安心できる場所にする
- 学校復帰だけをゴールにしすぎない
- 「味方でいる」と伝える
ことです。
学校に行けないというサインは、子どもが怠けているという意味ではありません。
心や体が「少し立ち止まってほしい」と知らせている場合もあります。
親が落ち着いて関わることで、子どもは少しずつ安心を取り戻していきます。
一人で悩まず、学校や専門機関、相談できる人とつながりながら、子どもに合った道を一緒に探していきましょう。
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